「天皇盃 第29回 全国都道府県対抗男子駅伝」折り鶴を再利用したトロフィーの制作

令和6年1月21日(日)に開催された「天皇盃 第29回全国都道府県対抗男子駅伝競走大会」の優勝チーム並びに入賞チームに贈られるトロフィーを、創造表現コース生徒6人が制作しました。この取組みは大会のメインスポンサーである大創産業との協働によるプロジェクトで今年5年目を迎えます。トロフィーは、昨年の10月ごろから構想を始め、創造表現コース卒業生の横山栞央さん(東京造形大学3年生)にサポートして頂きながら制作を進めてきました。トロフィーには平和記念公園の「原爆の子の像」に捧げられた折り鶴を広島市から提供いただき、ジェスモナイトという新素材に混ぜて、大会を通じて平和への願いを全国に届けるために心を込めて制作しました。

大会当日には、トロフィーを制作した生徒3人が表彰式に招待していただき、アテンドスタッフとして登壇しました。レースのスタートとゴールの様子を実際に見届け、選手の皆さんのレースへの思いや、大会が開催されることを待ち望んだ広島の街の人々の熱気に触れることが出来ました。広島国際会議場で行われた表彰式では、駅伝のメインスポンサーである大創産業(DAISO)の社長さんにトロフィーを手渡し、優勝チーム及び入賞チームの選手へ渡されました。トロフィーの制作から選手の皆さんに贈られるまでを見届けることができ、大変貴重な経験となりました。


折り鶴トロフィー制作プロジェクトに参加して
(創造表現コース1年 簗瀬瑛理香)

私たちが作成した折り鶴トロフィーは、選手の皆さんが走る全7区のコースを表すため、基本的に7面でデザインされています。型枠をプラスチック板で作り、そこへ石膏と似たテクスチャーの「ジェスモナイト」という新素材を流し込み、数時間置いて固めます。素材の中には、平和記念公園へ寄贈された折り鶴を細かく刻んだものを混ぜて制作しています。切る大きさや混ぜ込み方など、色々と調整しながら試作品をいくつも作りました。取り出すまでどんな仕上がりになるか分からず、作業中はずっと緊張していました。型枠から取り出したトロフィーは一つずつ丁寧にやすりで磨き、表面を整えたところで、最後に木製の台に接着して完成です。

何度もデザインをやり直したり、全体の方向性を変えたり大変なこともありました。短時間で固まる特性のある素材なので、スピード感を持って作業しなければなりません。新素材への挑戦であったため苦労もありましたが、グループのみんなで一生懸命に取り組みました。困難を乗り越えたからこそ、最終的にすばらしいトロフィーを完成させることができたと感じています。その制作工程は、チームで練習を重ねながらゴールに向けて一心に走り切る駅伝とよく似ていたかもしれないと、大会当日、選手のみなさんの姿を見て感じました。私たちは大会の後の表彰式では、入賞したチームの皆さんにトロフィーをお渡しました。白いジェスモナイトの白色と、色とりどりの折り紙により、鮮やかで明るい印象のトロフィーとなりました。無事に選手の皆さんにお贈りすることができたので、とても安心しました。

私は、これまで駅伝を間近で見ることがありませんでしたが、今回、選手のみなさんの力強い姿と、走り切った時の笑顔を見て、「頑張ってトロフィーを作ってよかった」と思いました。私たちも、別のやり方でゴールまで走り切ることができたように感じています。サポートしていただいた先生や先輩、助けてくれた同級生、そしてこの機会を与えてくださった大会関係者、大創産業の皆さまに、心から感謝しています。

 

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