彫塑の卒業制作は自刻像制作になっています。まず、粘土で形作る前に、顔の構造や自分の顔の特徴をよく観察してデッサンをしていきます。また、授業で配布された頭部の構造の資料や頭像の作品写真などもよく研究して制作に取り掛かります。
最初に頭像の心棒を作り、そこに粘土を巻き付けていくように貼り付けていき、耳の位置を確認しながら目や鼻も大まかに作り整えていきます。細部はヘラを使って表現していきます。しかし粘土で制作した作品はそのままの状態で保存することができないため石膏や樹脂などの別素材に置き換える必要があります。学校では石膏を使っています。
石膏取りの工程として、まず原型に石膏をかけ雌型を作成します。その際、型が粘土から取れやすくするために切り金を原型に刺しておきます。全体に石膏をかけて乾燥したら中の粘土を取り除き、雌型の内側にはく離剤を塗って内側に石膏をかけて雄型を作っていきます。雌型を割って雄型を取り出したら作品の完成です。雌型を割るまで作品がどうなっているのかわからないので不安ですが、それも石膏取りの楽しさや面白さ、彫塑の魅力だと思って制作に取り組んでいます。
美術科 北岡