創造表現コース二年次美術研修(2日目:大塚国際美術館)

2021年3月23日〜25日の3日間で創造表現コース2年次美術研修が行われました。
今年は倉敷・徳島・香川を巡り美術館の鑑賞や伝統工芸の体験などをしました。
普段、学校では学ぶことのできない工芸や芸術に触れることができ大変良い機会となりました。今回の経験をこれからの制作や鑑賞に生かしていきたいです。
この記事では、倉敷美観地区でのスケッチと大塚国際美術館で制作した模写作品、生徒たちの感想文から一部抜粋したものをご紹介します。

創造表現コース2年 川﨑・古川

2日目:大塚国際美術館

2日目は四国に渡り、徳島県鳴門市にある大塚国際美術館での作品鑑賞を1日かけて行いました。この美術館では世界26ヵ国にある190の美術館が所蔵する西洋名画約1000点を陶板を使って実物大に再現した作品を見ることができます。中でも、ミケランジェロによるシスティーナ礼拝堂の天井画と壁画は、礼拝堂自体を再現したつくりになっており、その壮大な空間に圧倒されました。地下3階から地上2階へと上がっていきながら、古代、中世、ルネサンス、バロック、近代、現代の名画を順番に鑑賞することで、西洋美術史を一望することができました。1日では十分に回り切れないくらいだったのですが、館内で模写をすることができるので、それぞれ興味を持った作品を模写することで、名画のエッセンスを学ぶことができました。

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感想

大塚国際美術館には時代ごとや作家ごとに区別して作品を展示してあった。先日の美術史で特徴を学ぶまではどの時代の絵画も同じように見ていたが、今回は習ったことを確認しながら鑑賞することができてよかった。作品が全て原寸大で展示されていたので、迫力も感じられたし、作者の大きな作品を創る上での苦労も感じることができた。(川﨑)

聖書の中のストーリーを描いたものが多かったが、有名なシーンは覚えていても、知らない部分はただの絵の鑑賞になってしまったから、もっと勉強しておこうと思った。今の時代は個人の意見を表したり感情を込めた作品が多いが、あの時代は知識がないと絵と関われないのだと感じた。しかし、そんな同じストーリーを表現していても、人物の描写や配置には個性が光っていて、全く飽きることがなかった。(岡田友)

作品は時代背景を基にしたものや国の流行を取り入れたもの、宗教的なもの、生と死の対立、愛などをテーマにしたものがあった。西洋画に裸体画が多いことに疑問を持ったので、調べてみると、中世では、着衣をしていないことで「むき出しの心=真理」を表すようになり、「神話・聖書的要素」になぞらえてヌードを描いていたことがわかった。(上野城)

大塚国際美術館では、数多く存在する作品を、個々のイメージを損なわない形で飾っていた。例えば、フェルメールの『真珠の耳飾りの少女』は、ただ飾るだけでなく、その周辺にも工夫を凝らしていた。作品の右側の壁に青色のカーテンを飾り付け、また壁自体も青系統の壁紙を貼っていた。ラピスラズリを「フェルメール・ブルー」と表現するように、フェルメールの作品において、青はとても重要である。テーマカラーとして青を作品周辺に取り入れることで、フェルメールの「らしさ」が実感できる展示だった。(平田)

『キリスト昇架』は、キリストを中心とした人物たちの筋肉が力強く表現されていて、筋肉の構造がよくわかった。どこに力が加わっているかもすぐわかる。細かい描写があって物語が伝わる。1枚の絵の中にこれだけ描くのはすごい熱だと思った。昔の絵はとにかく大きくてこれが教会とかに飾ってあったら本当に迫力あるだろうなと思った。写真も無い時代で、観察だけでリアルに描けるのはすごい。私たちは写真も使いながら、観察力を負けないくらい鍛えていきたいと思う。(武原)

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