創造表現コース二年次美術研修(1日目:大原美術館見学・倉敷美観地区スケッチ)

2021年3月23日〜25日の3日間で創造表現コース2年次美術研修が行われました。
今年は倉敷・徳島・香川を巡り美術館の鑑賞や伝統工芸の体験などをしました。
普段、学校では学ぶことのできない工芸や芸術に触れることができ大変良い機会となりました。今回の経験をこれからの制作や鑑賞に生かしていきたいです。
この記事では、倉敷美観地区でのスケッチと大塚国際美術館で制作した模写作品、生徒たちの感想文から一部抜粋したものをご紹介します。

創造表現コース2年 川﨑・古川

1日目:大原美術館見学・倉敷美観地区スケッチ

初日は大原美術館の見学と倉敷美観地区でのスケッチを行いました。大原美術館では教科書でよく見るような有名な作品が多くあり、名画を間近で見られるとても良い勉強になりました。倉敷美観地区は古き良き町並みの景観を残した観光地で、スケッチをするにも散策するにもとても良い場所でした。

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感想

大原美術館では古代から現代までの幅広い美術作品をじかに見ることができて大きな学びになったと感じる。20世紀の教科書に載っているような有名な作品ばかりで驚いた。戦争の時代や時代が転換されるというときに生まれた作品は、作者が社会に目を向け、発信していこうとする強い意志やもがく様子が現れていて、ラディカルで、心揺さぶられる。写実性が薄れ、昔のような画面全体を丁寧に描きこむ絵は少なく、一回絵の具をつけただけのような、筆跡の残る一見雑に描いただけにも見えるような絵は、なんとしてでも今の感情を絵に表したいという作者の必死さが伺える。またその年に起こった社会の出来事が少し頭にあったり、作者の生き方や生い立ちを考えるとその作品自体の知識はなくても、その意図を考えたりすることもできるのだと感じ、鑑賞が楽しくなった。(岡田友)

大原美術館では、陶芸や彫刻作品だけでなく、ポール・ゴーギャンやセザンヌ、モネなど印象派を代表する画家たちの作品を見ることができて、筆遣いや画面の中での色遣い、構成などたくさんのことを学べた。私はモネの作品がとても好きなのですが、実際に見ることができて、教科書ではわからなかった細かな色彩の変化を確認することができてよかったです。(小林)

 大原美術館は目立たせたい、注目して欲しい作品を個別の部屋に少ない作品数で展示していて、(自分たちの)作品展に活かせたらいいいなと思った。(水越)

 私が個人的に気になった作品は、ジャスパー・ジョーンズの「灰色の国旗」だ。灰色に塗られたキャンバスを見たとき、「どこが国旗!?」と思ってしまったが、よく見ると、灰色でアメリカの国旗が描かれてた。1957年制作ということだったのだが、このころのアメリカは、ソ連の宇宙開発先発に影響され、覇権争いに参加した時期だったそうだ。いわゆる「冷戦」の下にあったらしい。こういった時代背景のもとで作られた作品だと仮定すると、「灰色」という色調で国旗が描かれたことは、何か意味を持っているのではないかと思った。個人的に、作者は冷戦に対して批判的だったのではないかと思っている。(平田)

倉敷の町では本当に時代劇の世界に飛び込んだような気分になった。和物が好きなので、散歩するだけでもとても楽しかった。白鳥がいたり、船や人力車があったり、見所がたくさんあって、全て描きたいとうずうずした。(岡田紗)

美観地区では、古い町並みを残すということの重要さを知ることができた。リノベーションしているところもあり、古き良さを残しつつ、新たな形へと変化させていくのは大切なデザインのひとつだと思った。(古川)

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